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基礎知識・用語解説

TDMの基礎知識

特定薬剤治療管理料(TDMの診療報酬)

 昭和55年に躁うつ病治療剤である炭酸リチウム、次いで翌56年に抗てんかん剤とジギタリス製剤について、血中濃度をモニタリングし治療に役立てること、すなわちTDMが保険点数化された。以降、TDMの治療面での有用性が確認されるとともに、対象薬剤も漸次拡大され、点数も引き上げられてきた。医療費抑制が国の最重要課題となり、低減化・包括化が推進されている中にあって、このTDMに関する「特定薬剤治療管理料」が拡充されていることの意義は大きく、真摯に受け止めなければならない。
 一方、簡便な測定機器の開発などもあり、中小規模の施設や調剤薬局等での測定も可能になったことは大変に喜ばしい。しかしながら、全体としての普及率の低さに加え、血中濃度測定のみにとどまり、解析による患者背景を考慮したコメント提供などは極めて低率なのが現状である。医療の質向上と経済効果、この双方への寄与について、広範に検証されなければならない。
 特定薬剤治療管理料の算定は複雑であり、改変も多いことから、その都度の確認が必要である。以下、算定に関わる主な要件・注解および対象薬剤名を記載する。

  1. 投与薬剤の血中濃度を測定し、その結果に基づき当該薬剤の投与量を精密に管理した場合、同一暦月に1回に限り算定し、保険請求できる。
  2. 本管理料には、薬剤の血中濃度測定、当該血中濃度測定に係る採血及び測定結果に基づく投与量の管理に係る費用が含まれるものであり、1月のうちに 2回以上血中濃度を測定した場合であっても、それに係る費用は別に算定できない。
  3. 薬剤の血中濃度、治療計画の要点を診療録に記載する。
  4. 管理料は、抗不整脈薬については患者に薬剤を継続的に投与した場合、アミノ配糖体抗生物質については数日間以上投与している入院患者の場合に算定できる。
  5. ジギタリス製剤の急速飽和とは、2日間程度のうちに数回ジギタリス製剤を投与し治療効果が得られる濃度までに到達する場合をいう。なお、当該算定を行った急速飽和完了日の属する月においては、別に特定薬剤治療管理料は算定できない。
  6. てんかん重積状態のうち算定の対象になるものは、全身性けいれん発作重積状態で、注射薬剤等の血中濃度を測定し、その結果をもとに投与量を精密に管理した場合をいう。なお、その状態消失日の月には別に特定薬剤治療管理料は算定できない。
  7. 対象薬物には、不整脈用剤やメトトレキサートのように個々の薬物名が特定されているものと、ジギタリス製剤や抗てんかん剤のように個々の薬物名が特定されていないものがあることを認識しておく必要がある

対象薬物名 (測定薬物・代謝物名)
ジギタリス製剤 ジギトキシン
ジゴキシン
テオフィリン製剤
(アミノフィリンを含む)
テオフィリン
不整脈用剤 アプリンジン、アミオダロン(活性代謝物モノデスエチルアミオダロン)、キニジン、ジソピラミド、シベンゾリン、ソタロール**、ピルジカイニド、ピルメノール、フレカイニド、プロカインアミド(活性代謝物N-アセチルプロカインアミド)、プロパフェノン、ベプリジル**、メキシレチン、リドカイン
抗てんかん剤# エトスクシミド、ガバペンチン、カルバマゼピン、クロナゼパム、クロバザム、ゾニサミド、トピラマート、ニトラゼパム、バルプロ酸、フェニトイン(ホスフェニトイン***)、フェノバルビタール、プリミドン、ラモトリギン、レベチラセタム
アミノ配糖体抗生物質  アミカシン、アルベカシン、ゲンタマイシン、トブラマイシン
グリコペプチド系抗生物質 テイコプラニン、バンコマイシン
トリアゾール系抗真菌剤 ボリコナゾール*
免疫抑制剤 エベロリムス**、シクロスポリン、タクロリムス、ミコフェノール酸**
サリチル酸系製剤 サリチル酸
抗悪性腫瘍剤 イマチニブ**、メトトレキサート
ハロペリドール製剤 ハロペリドール
ブロムペリドール製剤 ブロムペリドール
リチウム製剤 リチウム

* 平成20年4月収載
** 平成24年4月収載
*** フェニトインのプロドラッグ
# 参考:TDM研究 2013:30(2), 53〜108

(北海道TDM研究会
「TDM実践ハンドブック」
2007年6月(株)薬事新報社)

(日本TDM学会広報委員会
2013年5月 一覧表改訂)

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