日本TDM学会
ホーム
学会概要
学術大会・イベント
学会誌
ガイドライン
ソフトウェアの紹介
基礎知識・用語解説
TDMの基礎知識
分布容積 Vd と負荷投与量
専門用語解説
リンク集
「TDM研究」電子投稿について
HOME基礎知識・用語解説TDMの基礎知識 > 分布容積 Vd と負荷投与量
基礎知識・用語解説

TDMの基礎知識

分布容積 Vd と負荷投与量

 ある薬物を急速静脈または経口で投与する場合を考える。但し、経口投与の場合、薬物の吸収速度は極めて速く、経口投与後の血中濃度推移が急速静脈投与後の血中濃度推移に近似できるものとする。
 初めて投与量D(mg)を投与するとき、投与直後の薬物血中濃度(mg/L)は、体循環に到達する活性型薬物量であるD×F×S(mg)とVd(L)の比になる。すなわち、図2において、水槽の薬物濃度は、水槽に入れた薬物量と水の容積で決まる。
 ここで、Fは生物学的利用率(bioavailability)で、消化管から吸収され代謝を免れて体循環に到達する薬物の割合である。また、Sは塩係数(salt form)と呼ばれる活性型薬物の割合である。

図2 分布容積(Vd)
図2 分布容積(Vd)

薬物量Dに生物学的利用率Fと塩係数Sを掛けた量が体循環に到達して短時間に平衡状態となる;希釈容積=分布容積Vd

 Dの投与によって増加する濃度ΔCpは式1で表される。そして、VdはDとΔCpから式2を用いて計算できる。

式1

式2

 たとえば、水溶性が高い抗生物質のゲンタマイシンのVdは細胞外液までの水分量に相当する体重の25%程度の10〜20Lである。一方、脂溶性が高いジゴキシンのVdは200L〜400L程度であるが、これは実際に存在する水分量を表していない。すなわち、ジゴキシンが心筋および骨格筋に高濃度に分布することによって血液中のジゴキシン濃度が薄くなったことを示している。Vdは、Dを投与して、ΔCpとなったときの仮想の希釈容積である。

 式1をDについて整理し、ΔCpの代わりに目標濃度Cp targetを用いることによって、速やかに目標血中濃度に到達させるための投与量(負荷投与量、Loading Dose)を計算することができる。

式3

 つまり、Vdを用いれば、最初にどれぐらいの量を投与すれば良いかが検討できる。

(篠崎公一)
TDMの基礎知識へ戻る このページのトップへ
Copyright © The Japanese Society of Therapeutic Drug Monitoring サイトポリシー サイトマップ