日本TDM学会
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過去のお知らせ

年頭のご挨拶

日本TDM学会理事長 谷川原祐介 良き新年をお迎えになられたこととお慶び申し上げます。2010年の年頭にあたり、ご挨拶申し上げます。
 日本TDM学会会員の皆さまにおかれましては、日頃よりTDMの実践・研究並びに普及・啓蒙にご尽力いただき心より御礼申し上げます。本年も会員の皆さまのご健勝とご活躍をお祈り申し上げますとともに、日本TDM学会へのご支援ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。
 特定薬剤治療管理料が新設されたのは昭和55年(1980年)でしたので、2010年はちょうど30年の節目にあたります。日本TDM学会は、その科学的基盤となる薬物血中濃度モニタリングのサイエンスと臨床応用を研究し討論する場として社会に貢献してきました。しかしながら今後は、TDMの概念を「薬物血中濃度モニタリング」から「個別化投薬の方法論」へと拡張し、PK/PDに加えてファーマコゲノミクスや薬効バイオマーカーを含めた個別化投薬(Personalized Medicine)の方法論を研究発表し討論する学会として存在意義を高めていきたいと考えております。
 私が理事長を拝命して以来、理事の先生方と力を合わせ、一貫して本学会の活性化を図ってきました。具体的な施策として、(1)学術大会の充実、(2)TDM学会セミナーの開催、(3)学会ホームページの充実、(4)学会誌「TDM研究」の活性化、(5)国際交流の活性化などを重点的に進めております。
 (1)昨年の第26回学術大会(新潟)は、上野和行会長のもと充実したプログラムにより約800名の参加者を集め盛大に開催されました。学術大会は例年、最新の研究成果を討論するセッションに加えて、これからTDMを学ぶ初学者向けの教育セッションも並行して企画しており、この方針は今後も継続します。(2)昨年のTDM学会セミナーは、1月に島根、7月に三重で開催され、いずれも個別化投薬に関する教育啓蒙的な内容が好評でした。(3)学会ホームページは、日本TDM学会からの情報発信の場であるとともに、TDMに関する情報を集約し、会員に役立つホームページをめざしたいと考えています。会員の皆さまからのご提案やご批判をお待ちしています。(4)学会誌「TDM研究」の活性化に向けて、本年1月より電子投稿システムを導入しました。従来の紙ベースに比べ、投稿や査読の時間が短縮できるため、より速い審査プロセスと論文掲載を実現します。また、掲載論文は学会ホームページ上で電子的に且つ制限なく閲覧可能であり、多方面から認知され引用されることが掲載論文と雑誌の価値を高めます。会員の研究成果を広く社会へ発信する手段として「TDM研究」への投稿をお待ちしています。(5)日本TDM学会が国際交流するパートナーは国際TDM学会(International Association of Therapeutic Drug Monitoring and Clinical Toxicology、略してIATDMCT)です。昨年10月にカナダ・モントリオールで第11回ICTDMCT学術大会が開催された機会に本学会理事4名が参加し、IATDMCT Presidentとの首脳会談や他の方々との交流を行いました。日本からの発表演題がベスト・ポスター賞に選ばれるなど日本の学術レベルの高さは欧米でも認識されており、それ故日本への期待の大きさを肌で感じ取ることができました。今後、国際舞台で日本TDM学会の存在感を高めていく方針ですが、これには会員個々の積極的な参加・発表を必要としますので是非ともご支援をお願い致します。次回のICTDMCT学術大会は、2011年にドイツStuttgartで開催されます。
 おかげをもちまして日本TDM学会の会員数はここ数年順調に伸びており、なかでも特筆すべきは若い世代の会員が増えていることが挙げられます。薬学教育六年制や専門・認定薬剤師制度の創設は薬剤師に臨床能力を求めることの反映です。また、臨床医学においても個別化投薬は世界的な潮流です。このような社会要請に敏感な若い医師・薬剤師等がTDMを学べる場として日本TDM学会に入会し活発に活動していただくことを願っております。
 また、社会に対する良識ある提言は学会の社会的責務と考えております。2008年に勃発したアボット・ジャパン社による唐突なTDXシステム製品の製造・供給中止発表は医療現場に大きな混乱と不安を起こしました。TDXが供給中止になれば、代替方法のないアルベカシンとテイコプラニンは臨床現場で血中濃度を測定できなくなり、両薬剤を安全かつ適正に使用する上で重大な問題を引き起こします。そこで、日本TDM学会は、日本感染症学会、日本化学療法学会、日本臨床微生物学会との連名で当時の舛添要一厚生労働大臣宛に要望書を提出しました(下記掲載)。それを受けて行政当局が指導にあたり、アボット・ジャパン社は再考して代替アッセイ法が開発されるまでの間、一部のTDX製品を継続供給することを約束しました(2009年5月)。日常のTDM業務を担っている本学会会員の皆さまはずいぶん心配されたこととお察ししますが、4学会連携して政府に提言することにより医療現場の混乱と患者の不利益を回避することができたのは大きな成果と考えております。
 本年も引き続き日本TDM学会を活性化し、会員の皆さまにとって役立つ学会運営を心がけていきますのでご支援をよろしくお願い申し上げます。
 改めまして、会員の皆さまの一層のご活躍とご健勝を祈念致します。

2010年1月

日本TDM学会理事長
谷川原祐介

要望書2
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